正多面体は,次の\(5\)種類しかないことが知られている。
正四面体 正六面体 正八面体 正十二面体 正二十面体(図省略)
数研出版 高等学校 数学A
まず正多面体の定義が
ような凸多面体であることに注意しておきます。
証明
正多面体のひとつの面を正\(m\)角形(\(m\geq 3\)),ひとつの頂点に集まる面の個数を\(n\)とする.\(n\leq 2\)とすると頂点を作らないから\(n\geq 3\).
このとき正多面体のひとつの頂点に集まる角度の和は\[\frac{180(m-2)}{m}\times n\]で表される.これが\(360^{\circ}\)より小さいから(さもなければ平面になってしまい,頂点を作らない),
\begin{align*}
&\frac{180^{\circ}(m-2)}{m}\times n < 360^{\circ}\\
\Longleftrightarrow~&\frac{180^{\circ}(m-2)}{m}\times n < 360^{\circ}\\
\Longleftrightarrow~&mn-2m-2n < 0\\
\Longleftrightarrow~&(m-2)(n-2) < 4
\end{align*}これを満たす\((m,n)\)を調べると
- \(m=3\)のとき,\((3\leq)~n<6\)より\((m,n)=(3,3),(3,4),(3,5)\)
- \(m=4\)のとき,\((3\leq)~n<4\)より\((m,n)=(4,3)\)
- \(m=5\)のとき,\((3\leq)~n<\frac{10}{3}\)より\((m,n)=(5,3)\)
次に\(m,n\)と頂点\(v\),辺\(e\),面\(f\)の個数の関係を調べる.\(m\)は正多面体の\(1\)つの面の辺の個数,\(n\)は正多面体の\(1\)つの頂点に集まる辺の個数でもあることに注意すると,
\begin{align*}
e=\frac{mf}{2},\quad e=\frac{nv}{2}~\Longleftrightarrow~f=\frac{2e}{m},\quad v=\frac{2e}{n}
\end{align*}(\(\times \frac{1}{2}\)は重複の除去)となり,これをオイラーの多面体定理\(v-e+f=2\)に代入すると
\begin{align*}
v-e+f=2\Longleftrightarrow~&\frac{2e}{n}-e+\frac{2e}{m}=2\\
\Longleftrightarrow~&\frac{2m-nm+2n}{nm}e=2\\
\Longleftrightarrow~&e=\frac{2mn}{2m-mn+2n}
\end{align*}よって\[f=\frac{4n}{2m-mn+2n}\]
を得る.上で調べた\((m,n)=(3,3),(3,4),(3,5),(4,3),(5,3)\)を代入すると,それぞれ\[f=4,8,20,6,12\]となり,それぞれ正四面体,正八面体,正二十面体,正六面体,正十二面体となる.
証明終
(参考)
正十二面体
正二十面体