◆円と放物線(別解その1)

「円と放物線」の定番問題です.多くの解答では「重解条件」を用いていますが,どこか気持ち悪い.「重解条件」を使わない解法について見てみます.

\(y=x^2+k\)(\(k\)は定数)と円\(x^2+y^2=4\)について,
\((1)\)異なる\(4\)つの共有点をもつとき,定数\(k\)の値の範囲を求めよ.
\((2)\)放物線と円が接するとき,定数\(k\)の値を求めよ.

\((2)\)別解

図により,
\[\text{接する}~\Longleftrightarrow \rm(\hspace{.18em}i\hspace{.18em})\text{または}\rm(\hspace{.08em}ii\hspace{.08em})\text{または}\rm(i\hspace{-.08em}i\hspace{-.08em}i)\]である.

\(\rm(\hspace{.18em}i\hspace{.18em})\)のとき,図より明らかに\(k=2\).逆も成り立つ.

\(\rm(\hspace{.08em}ii\hspace{.08em})\)のとき,図より明らかに\(k=-2\).逆も成り立つ.

\(\rm(i\hspace{-.08em}i\hspace{-.08em}i)\)のとき.
\(y=x^2+k\)上の点を\(P(s,s^2+k)\)とおく.線分\(OP\)を調べる.
\begin{align*}
OP^2=&s^2+(s^2+k)^2\\
=&t+(t+k)^2&(s^2=t\text{とおいた})\\
=&t^2+(2k+1)t+k^2\\
=&\left(t+k+\frac{1}{2}\right)^2-k-\frac{1}{4}&(t\geq 0)\\
\end{align*}
図より\(k<-2\)であるから\[-k-\frac{1}{2} > \frac{3}{2}\]
であることに注意すると,\(OP^2\)の最小値は\(-k-\frac{1}{4}\).これが円の半径\(2\)と一致するとき,かつそのときに限り円と放物線は\(\rm(i\hspace{-.08em}i\hspace{-.08em}i)\)のように接する.したがって
\[\sqrt{-k-\frac{1}{4}}=2\Longleftrightarrow k=-\frac{17}{4}\]
以上により求める条件は\(k=\pm 2\)または\(k=-\frac{17}{4}\)となる.

\(\ast\)    \(\ast\)    \(\ast\)

(\(\rm(i\hspace{-.08em}i\hspace{-.08em}i)\)の別解はこちら

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