絶対値を含む方程式・不等式(その2)

この記事で絶対値を含む方程式,不等式に関する公式を証明しました。この公式は,右辺が正の定数であることしか仮定しておらず,したがって右辺が負の数や\(0\)の場合においても成り立つことは保証していません。なので,右辺に文字を含む場合は一般的には「(定義に従って)場合分けして解く」と学ぶことが多いと思います。しかし実は,右辺に文字を含む含まないに関わらず(つまり正か\(0\)か負かに関わらず),次が成り立ちます。

\begin{align*}
(1)\quad~&|\mathrm{A}|=B \Longleftrightarrow \mathrm{A}=\pm B \land \mathrm{B}>0 \\
(2)\quad~&|\mathrm{A}| < \mathrm{B} \Longleftrightarrow -B < A < B \\ (3)\quad~&|\mathrm{A}|>\mathrm{B} \Longleftrightarrow \mathrm{A}<-B \lor \mathrm{B} < A \\
\end{align*}

\((1)\)は明らかなので,\((2)\)と\((3)\)を証明します。

\((2)\)の証明

\begin{align*}
&|\mathrm{A}| < \mathrm{B} \\
\Longleftrightarrow~&|\mathrm{A}| < \mathrm{B}\land(\mathrm{B}>0 \lor \mathrm{B}=0 \lor \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~&(|\mathrm{A}| < \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0)\lor(|\mathrm{A}| < \mathrm{B}\land \mathrm{B}=0) \lor (|\mathrm{A}| < \mathrm{B} \land \mathrm{B}<0))\\
\Longleftrightarrow~&(|\mathrm{A}| < \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0)\lor(|\mathrm{A}| < 0\land \mathrm{B}=0) \lor (|\mathrm{A}| < \mathrm{B} \land \mathrm{B}<0))\\
\Longleftrightarrow~&(-\mathrm{B} < \mathrm{A} < \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0)\lor (\bot \land \mathrm{B}=0) \lor \bot\\
\Longleftrightarrow~&(-\mathrm{B} < \mathrm{A} < \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0)\lor \bot \lor \bot\\
\Longleftrightarrow~&-\mathrm{B} < \mathrm{A} < \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0\\
\Longleftrightarrow~&-\mathrm{B}<\mathrm{A}< \mathrm{B}
\end{align*}

\(|\mathrm{A}|=\max\{-\mathrm{A},\mathrm{A}\}\)であることに注意すると,下記のように簡潔に記述できます:

\begin{align*}
&|\mathrm{A}| < \mathrm{B} \\
\Longleftrightarrow~&\max\{\mathrm{A},-\mathrm{A}\} < \mathrm{B}\\
\Longleftrightarrow~&\mathrm{A}< \mathrm{B}\land-\mathrm{A}< \mathrm{B}\\
\Longleftrightarrow~&-\mathrm{B}<\mathrm{A}< \mathrm{B}
\end{align*}

\((3)\)の証明

\begin{align*}
&|\mathrm{A}| > \mathrm{B} \\
\Longleftrightarrow~&|\mathrm{A}| > \mathrm{B}\land(\mathrm{B}>0 \lor \mathrm{B}=0 \lor \mathrm{B}<0)\\ \Longleftrightarrow~&(|\mathrm{A}| > \mathrm{B}\land \mathrm{B}>0 )\lor(|\mathrm{A}| > \mathrm{B}\land \mathrm{B}=0) \lor (|\mathrm{A}| > \mathrm{B} \land \mathrm{B}<0))\\
\Longleftrightarrow~&((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B} >0) \lor (|\mathrm{A}|>0 \land B=0) \lor ( \mathrm{A}\in \mathbb{R} \land \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~&((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B} >0) \lor (\mathrm{A}\neq 0 \land B=0) \lor ((\mathrm{B} < \mathrm{A} \lor \mathrm{A} < -\mathrm{B}) \land \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~&((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B} >0) \lor ((\mathrm{A}<0\lor 0<\mathrm{A})\land B=0) \lor ((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~&((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B} >0) \lor ((\mathrm{A}<-B\lor B<\mathrm{A}) \land B=0) \lor ((\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~& (\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land(\mathrm{B}>0 \lor \mathrm{B}=0 \lor \mathrm{B}<0)\\
\Longleftrightarrow~& (\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}) \land \top\\
\Longleftrightarrow~& \mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}\\ \end{align*}

または上と同様に, \begin{align*} &|\mathrm{A}| > \mathrm{B} \\
\Longleftrightarrow~&\max\{\mathrm{A},-\mathrm{A}\} > \mathrm{B}\\
\Longleftrightarrow~&\mathrm{A} > \mathrm{B}\lor-\mathrm{A}> \mathrm{B}\\
\Longleftrightarrow~&\mathrm{A}>\mathrm{B} \lor \mathrm{A} < -\mathrm{B}\\
\Longleftrightarrow~&\mathrm{A} < -\mathrm{B} \lor \mathrm{B} < \mathrm{A}
\end{align*}

証明終

これでいちおう,機械的に解けます。

 

円と2次曲線

次の解答は誤りです。

放物線\(y=\frac{1}{6}x^2-2\cdots{(1)}\)と円\(x^2+y^2=3\cdots{(2)}\)について,\((2)\)を\((1)\)に代入すると,\[y=\frac{1}{6}(3-y^2)-2\]整理すると\[(y+3)^2=0\]よって,重解をもつから,\((1)\)と\((2)\)は接する。

誤りの理由をかけ,という問題について考えてみます。この問題の模範解答は

\((1)\)より\(x^2=3-y^2\).したがって\(3-y^2\geq 0 \Leftrightarrow -\sqrt{3}\leq y \leq \sqrt{3}\).しかし得られた重解\(y=-3\)はこの式を満たさない。ゆえに連立方程式\((1),(2)\)は実数解をもたない.つまり,\((1)\)と\((2)\)の共有点は存在しない.

という「連立方程式\((1)\)\((2)\)を解いても解がないから,共有点はない。だから接するなんてことはありえない」というものでしたが,ここでは違う視点から誤りを指摘してみます。まず,話を整理するために,「接する」ことの定義を確認しておきます:

\begin{align*}
&y=f(x)\text{と}y=g(x)\text{が接する}\\
\overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow}~&\exists a [f(a)=g(a),~f^{\prime}(a)=g^{\prime}(a)]\\
\end{align*}

また,次を証明しておきます。

\(y=f(x),y=g(x)\)を多項式とする.このとき,次が成り立つ:
\[y=f(x)\text{と}y=g(x)\text{が接する}\Longleftrightarrow~f(x)-g(x)=0\text{が重解をもつ}\]

証明

(\(\Rightarrow\))
\begin{align*}
&y=f(x)\text{と}y=g(x)\text{が接する}\\
\overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow}~&\exists a [f(a)=g(a),~f^{\prime}(a)=g^{\prime}(a)]\\
\Longleftrightarrow~&\exists a [f(a)-g(a)=0,~(f(a)-g(a))^{\prime}=0]\\
\Longleftrightarrow~&\exists a\begin{cases}
f(a)-g(a)=0 \\
(f(a)-g(a))^{\prime}=0
\end{cases}
\end{align*}\(f(x)-g(x)\)は多項式であるから,因数定理により\[f(x)-g(x)=(x-a)Q(x)\]と変形できる.辺々微分して\[(f(x)-g(x))^{\prime}=Q(x)+(x-a)Q^{\prime}(x)\]この式と第2式により\[Q(x)=-(x-a)Q^{\prime}(x)\]を得る.これを最初の式に代入して\[f(x)-g(x)=-(x-a)^2Q^{\prime}(x)\]したがって\(f(x)-g(x)=0\)は重解をもつ.

(\(\Leftarrow\))

重解を\(a\)とする.仮定により\[f(x)-g(x)=(x-a)^2Q(x)\]とおける.\(x=a\)と代入して\[f(a)-g(a)=0 \Leftrightarrow~f(a)=g(a)\]また,辺々微分して\[f^{\prime}(x)-g^{\prime}(x)=2(x-a)Q(x)+(x-a)^2Q^{\prime}(x)\]これに\(x=a\)と代入して\[f^{\prime}(a)-g^{\prime}(a)=0 \Leftrightarrow~f^{\prime}(a)=g^{\prime}(a)\]ゆえに\(y=f(x)\)と\(y=g(x)\)は接する.

証明終

さて,ここで誤答の「重解をもつから,\((1)\)と\((2)\)は接する」の部分を考えてみると,まず「重解をもつから」の主語が連立した結果の式\[y=\frac{1}{6}(3-y^2)-2\]であることが気になります。接するための十分条件は,多項式\(y=f(x),y=g(x)\)について「\(f(x)-g(x)=0\)が」重解をもつ,であったはずです。したがってまず\(y=f(x),y=g(x)\)という式を用意しなければならない。しかし\(y=\frac{1}{6}x^2-2\)はさておき\(y=\pm\sqrt{1-x^2}\)は多項式ではない。仮定を満たしていない以上,上の定理は使えない(実際,定理の証明を見ると分かるように「多項式」を仮定しないと因数定理も使えないしそもそも重解を定義できない)。

なので,個人的には「実際に調べてみると接しないよね」というより「重解をもつから,接する」という主張(というか理解)のいい加減さ曖昧さを指摘したい。「『どの式が』重解をもつの?」「『その式』が重解をもつことと接することに何の関係があるの?」と問いたい。

「接するときたら重解条件!」のような参考書でよく見るスローガン的解法は,付け焼き刃的には有効かもしれませんが,「接する」とは具体的にどういう状態を指すのか(定義),そして「接する」ことと「重解」をもつことはそれぞれ十分なのか必要なのか,「何が」重解をもつのか,またそれらは何を仮定しているのか,などを考えずにいい加減な理解で使っていると表面上はもっともらしい解答が作れてもよく見るとめちゃくちゃな気持ち悪い解答になる。

というわけで,円と2次曲線の問題では安易に「重解条件」は使ってはいけない。これは肝に銘じておくべきだと思います。

シンプルな問題

\(\tan1^{\circ}\)は有理数か。(京都大)

解答

\(\tan1^{\circ}\)が有理数であると仮定する。\[\tan(1^{\circ}+k^{\circ})=\frac{\tan 1^{\circ}+\tan k^{\circ}}{1-\tan 1^{\circ}\tan k^{\circ}}\]であるから,仮定により
\[\tan k^{\circ}\text{が有理数} \Longrightarrow \tan(1^{\circ}+k^{\circ})\text{が有理数}\]ゆえに帰納的に\(\tan 30^{\circ}\left(=\frac{1}{\sqrt{3}}\right)\)は有理数となり,矛盾。したがって\(\tan1^{\circ}\)は無理数である。

解答終

共通テストの対話型形式問題,俗にいう太郎花子問題に思う。読ませながら発見的に解かせようという意図は理解できるけど,太郎と花子解法に追従するしかない自由度の低さ,問題文の冗長さ,見た目の汚さ。数学の魅力の大部分を捨て去ってる気もする。それに比べ上の京都大の問題。たった1行で記述され,無駄がなくかっこいい。そして「あとは各自自由に考えてね☆」とぶん投げられる自由度の高さ。そこにどんな密度が潜んでいるのだろうと興味を掻き立てられる。でも実際蓋を開けてみるとあまり難しくない。個人的にはこういう方が断然好き。

合同式の定義とその直観的解釈

「余り」がらみの問題では合同式が使えると見通しよく解けることが少なくありません。が,合同式を未習の生徒は非常に多い。そんなとき,簡単のため「まあ要は余りが等しいもの同士を\(\equiv\)で結ぶんだよ~」とざっくり紹介していますが厳密には違います。合同式の定義は

\[a\equiv b \pmod{p} \overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow} \exists k\in\mathbb{Z}[a-b=pk]\]

です。なので

\[\exists k\in\mathbb{Z}[a-b=pk] \Longleftrightarrow \text{\(a\)を\(p\)で割った余りと\(b\)を\(p\)で割った余りが等しい}\]

を証明する必要があります。

証明

\(\Leftarrow\)は明らかであるから,\(\Rightarrow\)を示す.
\[a=pq_1+r_1,~b=pq_2+r_2\quad (0\leq r_1,r_2< p)\]とおくと,仮定により\((pq_1+r_1)-(pq_2+r_2)=pk~(k\in \mathbb{Z})\)と表せる.
\begin{align*}
&(pq_1+r_1)-(pq_2+r_2)=pk\Longleftrightarrow~p(q_1-q_2-k)=r_2-r_1
\end{align*}したがって\(r_2-r_1\)は\(p\)の倍数.ここで\(0\leq r_1,r_2< p\)より\(-p < r_1-r_2 < p\)であるから,\[r_2-r_1=0\]すなわち\(r_1=r_2\).

証明終

まあ,同値ですから「余りが等しい」ことを「定義」とするという立場をとってもいいのかも知れませんが。。

正多面体

正多面体は,次の\(5\)種類しかないことが知られている。

正四面体 正六面体 正八面体 正十二面体 正二十面体(図省略)

数研出版 高等学校 数学A

 

まず正多面体の定義が

  • 各面はすべて合同な正多角形である.
  • 各頂点に集まる面の数はすべて等しい.
  • ような凸多面体であることに注意しておきます。

    証明

    正多面体のひとつの面を正\(m\)角形(\(m\geq 3\)),ひとつの頂点に集まる面の個数を\(n\)とする.\(n\leq 2\)とすると頂点を作らないから\(n\geq 3\).

    このとき正多面体のひとつの頂点に集まる角度の和は\[\frac{180(m-2)}{m}\times n\]で表される.これが\(360^{\circ}\)より小さいから(さもなければ平面になってしまい,頂点を作らない),
    \begin{align*}
    &\frac{180^{\circ}(m-2)}{m}\times n < 360^{\circ}\\
    \Longleftrightarrow~&\frac{180^{\circ}(m-2)}{m}\times n < 360^{\circ}\\
    \Longleftrightarrow~&mn-2m-2n < 0\\
    \Longleftrightarrow~&(m-2)(n-2) < 4
    \end{align*}これを満たす\((m,n)\)を調べると

    • \(m=3\)のとき,\((3\leq)~n<6\)より\((m,n)=(3,3),(3,4),(3,5)\)
    • \(m=4\)のとき,\((3\leq)~n<4\)より\((m,n)=(4,3)\)
    • \(m=5\)のとき,\((3\leq)~n<\frac{10}{3}\)より\((m,n)=(5,3)\)

    次に\(m,n\)と頂点\(v\),辺\(e\),面\(f\)の個数の関係を調べる.\(m\)は正多面体の\(1\)つの面の辺の個数,\(n\)は正多面体の\(1\)つの頂点に集まる辺の個数でもあることに注意すると,

    \begin{align*}
    e=\frac{mf}{2},\quad e=\frac{nv}{2}~\Longleftrightarrow~f=\frac{2e}{m},\quad v=\frac{2e}{n}
    \end{align*}(\(\times \frac{1}{2}\)は重複の除去)となり,これをオイラーの多面体定理\(v-e+f=2\)に代入すると
    \begin{align*}
    v-e+f=2\Longleftrightarrow~&\frac{2e}{n}-e+\frac{2e}{m}=2\\
    \Longleftrightarrow~&\frac{2m-nm+2n}{nm}e=2\\
    \Longleftrightarrow~&e=\frac{2mn}{2m-mn+2n}
    \end{align*}よって\[f=\frac{4n}{2m-mn+2n}\]
    を得る.上で調べた\((m,n)=(3,3),(3,4),(3,5),(4,3),(5,3)\)を代入すると,それぞれ\[f=4,8,20,6,12\]となり,それぞれ正四面体,正八面体,正二十面体,正六面体,正十二面体となる.

    証明終

    (参考)

    正十二面体

    正二十面体

    メネラウスの定理の逆

    メネラウスの定理とは,

    三角形\(\mathrm{ABC}\)の\(2\)つの辺上と他の\(1\)辺の延長上に点\(\mathrm{P,Q,R}\)をとる(※).ここでは
    点\(\mathrm{P}\)を辺\(\mathrm{BC}\)の延長上の点,\(\mathrm{R,Q}\)をそれぞれ辺\(\mathrm{AB,AC}\)上の点であるとする.

    という仮定のもとで(※ 簡単のために「点\(\mathrm{P,Q,R}\)がすべて各辺の延長上の点である場合」は除いて考えることにします。),

    \begin{align*}
    &\text{点\(P,Q,R\)は一直線上に存在する}\Longleftrightarrow~\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}=1
    \end{align*}

    が成り立つ,というものでした。問題では(\(\Rightarrow\))で使うことが圧倒的に多いのですが,まれに(\(\Leftarrow\))で使うことがあります。問題集等では唐突に出てきますがその証明は載ってないことが多いので以下に示します。

    証明

    (\(\Rightarrow\)の証明は有名なので割愛)

    (\(\Leftarrow\)の証明)
    直線\(\mathrm{RQ}\)が直線\(\mathrm{BC}\)と交わる点を\(\mathrm{P^{\prime}}\)とする.

    メネラウスの定理(上で証明済み)により,
    \[\frac{RB}{AR}\cdot\frac{P^{\prime}C}{BP^{\prime}}\cdot\frac{QA}{CQ}=1\tag{1}\]
    仮定により\[\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}=1\tag{2}\]
    \((1)\)により\[\frac{RB}{AR}\cdot\frac{QA}{CQ}=\frac{BP^{\prime}}{P^{\prime}C}\]

    これを\((2)\)に代入すると
    \begin{align*}
    \frac{PC}{BP}\cdot\frac{BP^{\prime}}{P^{\prime}C}=1\Longleftrightarrow~&\frac{PC}{BP}=\frac{P^{\prime}C}{BP^{\prime}}\\
    \Longleftrightarrow~&BP:PC=BP^{\prime}:P^{\prime}C
    \end{align*}
    よって\(P=P^{\prime}\).ゆえに\(P,Q,R\)は一直線上に存在する.

    証明終

    • メネラウスの定理は一般的には高校で習いますが,学校によっては中学でも扱います。これを使うことで妙な(?)補助線を思いつく必要がなくなったりします。
    • 上のように中学幾何は論理(必要性・十分性)を学ぶ絶好の機会…と思うのだけど学習の際はそこはあまり強調されないようです。証明に至っては「証明は型にはめる作業だ」と教わることもあるそうな…
    • チェバの定理の逆も同じようにして証明できます。

    図はきれいに正確に

    かきましょう🤔(フリーハンドで)

    \(a,b\)を実数とする.座標平面上の放物線\(y=x^2+ax+b\)を\(C\)とおく.\(C\)は,原点で垂直に交わる\(2\)本の接線\(l_1,l_2\)をもつとする.ただし,\(C\)と\(l_1\)の接点\(\mathrm{P}_1\)の\(x\)座標は,\(C\)と\(l_2\)の接点\(\mathrm{P}_2\)の\(x\)座標より小さいとする.

     

      1. \(b\)を\(a\)で表せ.また\(a\)の値はすべての実数をとりうることを示せ.
      2. \(i=1,2\)に対し,円\(D_i\)を,放物線\(C\)の軸上に中心をもち,点\(\mathrm{P}_i\)で\(l_i\)と接するものと定める.\(D_2\)の半径が\(D_1\)の半径の\(2\)倍となるとき,\(a\)の値を求めよ.

    (東京大)

    1.

    \(C\)と\(l_1\),\(C\)と\(l_2\)の接点の\(x\)座標をそれぞれ\(s,t~(s < t)\)とおくと,\(l_1,l_2\)の方程式はそれぞれ
    \begin{align*}
    &l_1:y-(s^2+as+b)=(2s+a)(x-s)\\
    &l_2:y-(t^2+at+b)=(2t+a)(x-t)
    \end{align*}とおける.これが\((0,0)\)を通るから
    \[\begin{cases}-s^2-as-b=-2s^2-as\\-t^2-at-b=-2t^2-at \end{cases}\Longleftrightarrow~\begin{cases}s^2=b\\t^2=b \end{cases}\]また,\(l_1\)と\(l_2\)は原点で交わるので\[(2s+a)(2t+a)=-1\]したがって
    \begin{align*}
    &\exists s\exists t \begin{cases}s^2=b \land t^2=b \land s < t \\ (2s+a)(2t+a)=-1\end{cases}\\
    \Longleftrightarrow~&\exists s\exists t \begin{cases}s^2=b \land t^2=b \land s < t \\ (2s+a)(2t+a)=-1\end{cases}\land b\geq 0\\
    \Longleftrightarrow~&\exists s\exists t \begin{cases}s^2=b \land t^2=b \land s < t \land b\geq 0\\ (2s+a)(2t+a)=-1 \end{cases}\\
    \Longleftrightarrow~&\exists s\exists t \begin{cases}s=-\sqrt{b} \land t=\sqrt{b} \land s < t \land b\geq 0\\ (2s+a)(2t+a)=-1 \end{cases}\\
    \Longleftrightarrow~&-\sqrt{b} < \sqrt{b} \land b\geq 0 \land (2(-\sqrt{b})+a)(2\sqrt{b}+a)=-1\\
    \Longleftrightarrow~&\top \land b\geq 0 \land -4b+a^2=-1\\
    \Longleftrightarrow~& b=\frac{1}{4}(a^2+1) \land b \geq 0\\
    \Longleftrightarrow~& b=\frac{1}{4}(a^2+1) \land \frac{1}{4}(a^2+1) \geq 0\\
    \Longleftrightarrow~& b=\frac{1}{4}(a^2+1) \land a^2+1 \geq 0\\
    \Longleftrightarrow~& b=\frac{1}{4}(a^2+1) \land a \in \mathbb{R}
    \end{align*}

    2.

    上図のように\(\mathrm{Q_1,H_1}\)をおき,\(\angle{\mathrm{Q_1P_1H_1}}=\theta_1\)とおけば

    \begin{align*}
    \mathrm{Q_1 H_1}&=\left(-\frac{a}{2}+\sqrt{b}\right)\tan \theta_1\\
    &=\left(-\frac{a}{2}+\sqrt{b}\right)\frac{2b+a\sqrt{b}}{\sqrt{b}}\\
    &=\left(-\frac{a}{2}+\sqrt{b}\right)(2\sqrt{b}+a)\\
    &=\frac{1}{2}(2\sqrt{b}-a)(2\sqrt{b}+a)\\
    &=\frac{1}{2}(4b-a^2)
    \end{align*}よって
    \begin{align*}
    \mathrm{P_1Q_1}^2&=\frac{1}{4}(4b-a^2)^2+\left(-\frac{a}{2}+\sqrt{b}\right)^2\\
    &=\frac{1}{4}(4b-a^2)^2+\frac{1}{4}\left(2\sqrt{b}-a\right)^2\\
    &=\frac{1}{4}+\frac{1}{4}\left(2\sqrt{b}-a\right)^2
    \end{align*}同様にして
    \[\mathrm{Q_2H_2}=\frac{1}{2}(4b-a^2),~\mathrm{P_2Q_2}^2=\frac{1}{4}+\frac{1}{4}\left(2\sqrt{b}+a\right)^2\]ゆえに
    \begin{align*}
    &2\mathrm{P_1Q_1}=\mathrm{P_2Q_2}\\
    \Longleftrightarrow~&4\mathrm{P_1Q_1}^2=\mathrm{P_2Q_2}^2\\
    \Longleftrightarrow~&1+(a-2\sqrt{b})^2=\frac{1}{4}(1+(a+2\sqrt{b})^2)\\
    \Longleftrightarrow~&4+4(a-2\sqrt{b})^2=1+(a+2\sqrt{b})^2\\
    \Longleftrightarrow~&3=(a+2\sqrt{b})^2-(2(a-2\sqrt{b}))^2\\
    \Longleftrightarrow~&3=(-a+6\sqrt{b})(3a-2\sqrt{b})\\
    \Longleftrightarrow~&3=-3a^2+20a\sqrt{b}-12b\\
    \Longleftrightarrow~&3=-3a^2+20a\sqrt{a^2+1}-3(a^2+1)\\
    \Longleftrightarrow~&3(a^2+1)=5a\sqrt{a^2+1}\\
    \Longleftrightarrow~&3\sqrt{a^2+1}=5a\\
    \Longleftrightarrow~&9(a^2+1)^2=25a^2\land a>0\\
    \Longleftrightarrow~&a^2=\frac{9}{16}\land a>0\\
    \Longleftrightarrow~&a=\pm\frac{3}{4}\land a>0\\
    \Longleftrightarrow~&a=\frac{3}{4}
    \end{align*}

    解答終

    球体を使った連続の定義(★P149)

    自分用ノート( ఠ ͟ʖ ఠ)

    \(\epsilon\delta\)論法を球体で表現:

    任意の\(\epsilon >0\)に対し,ある\(\delta>0\)が存在して,
    \begin{align*}
    &f(B^{(n)}(a;\delta))\subset B^{(m)}(f(a);\epsilon)\\
    \Longleftrightarrow~& y \in f(B^{(n)}(a;\delta)) \Rightarrow y \in B^{(m)}(f(a);\epsilon)\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y[y \in f(B^{n}(a;\delta)) \rightarrow d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\exists x \in B^{(n)}(a;\delta) [f(x)=y] \rightarrow d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\exists x \left[d^{(n)}(a,x)< \delta \land f(x)=y\right] \rightarrow d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\overline{\exists x \left[d^{(n)}(a,x)< \delta \land f(x)=y\right]} \lor d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\forall x \left[\overline{d^{(n)}(a,x)< \delta} \lor \overline{f(x)=y}\right] \lor d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\forall x \left[\overline{d^{(n)}(a,x)< \delta} \lor \overline{f(x)=y} \lor d^{(m)}(f(a),y) < \epsilon\right]\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\forall x \left[\overline{d^{(n)}(a,x)< \delta} \lor \overline{f(x)=y \land d^{(m)}(f(a),y) \geq \epsilon}\right]\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\left[\forall x \left[\overline{d^{(n)}(a,x)< \delta} \lor \overline{f(x)=y \land d^{(m)}(f(a),f(x)) \geq \epsilon}\right]\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall y\forall x \left[\overline{d^{(n)}(a,x)< \delta} \lor d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon \lor \overline{f(x)=y}\right]\\
    \Longleftrightarrow~& \forall x\forall y \left[\left[d^{(n)}(a,x)< \delta \rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon \right]\lor \overline{f(x)=y}\right]\\
    \Longleftrightarrow~&\forall x \left[\left[d^{(n)}(a,x)< \delta \rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon \right]\lor \forall y \left[\overline{f(x)=y}\right]\right]\\
    \Longleftrightarrow~&\forall x \left[\left[d^{(n)}(a,x)< \delta \rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon \right] \lor \overline{\exists y \left[f(x)=y \right]}\right]\\
    \Longleftrightarrow~&\forall x \left[\left[d^{(n)}(a,x)< \delta \rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon \right] \lor \bot\right]\\
    \Longleftrightarrow~&\forall x \left[d^{(n)}(a,x)< \delta \rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon\right]\\
    \Longleftrightarrow~&d^{(n)}(a,x)< \delta \Rightarrow d^{(m)}(f(a),f(x)) < \epsilon
    \end{align*}

    特に,\(d:\mathbb{R}^n\rightarrow \mathbb{R}^m\)を\(d(x,y)=\sqrt{\displaystyle\sum_{i=1}^{n} (x_i-y_i)^2}\)と定めれば,\(n=1,m=1\)のとき,\[|x-a|< \delta \Rightarrow |f(x)-f(a)| < \epsilon\]と例のアレになる。

    \(\ast\qquad\ast\qquad\ast\)

    しかしアニメ版神々の山嶺ほんと面白い。羽生丈二いいなあ。ああいう人間好きだわあ。

    図示して証明?

    授業で取り扱っていてふと気になった問題。

    \(x,y\)は実数とする。
    \((1)\quad\)\(x^2+y^2+2x<3\)ならば\(x^2+y^2-2x<15\)であることを証明せよ。
    \((2)\quad\)\(x^2+y^2\leq 5\)が\(2x+y\geq k\)の十分条件となる定数\(k\)の値の範囲を求めよ。

    (青チャート)

    解答では

    \[P=\{(x,y)|x^2+y^2+2x<3\},Q=\{(x,y)|x^2+y^2-2x<15\}\]とすると,「\(p\Rightarrow q\)が真である」\(\Leftrightarrow P\subset Q\)であるから,\(P,Q\)を図示することにより,楽に証明できる。

     
    \(P\subset Q\)であることを図示することで証明していて,確かに楽かつ直観的で分かりやすいけど,しかし\((2)\)のような求値問題ならまだしも\((1)\)のような「証明」において「絵」を根拠にしていいのかという違和感があります。ということでお絵かきに頼らない証明を考えてみます。

    (1)

    仮定により
    \begin{align*}
    &x^2+y^2+2x<3\\
    \Longleftrightarrow~& x^2+y^2<3-2x \land (x+1)^2+y^2<4 \\
    \Longleftrightarrow~& x^2+y^2<3-2x \land (x+1)^2<4\\
    \Longleftrightarrow~& x^2+y^2<3-2x \land -3 < x < 1
    \end{align*}であるから,

    \[x^2+y^2-2x < (3-2x)-2x = 3-4x < 15\]

    証明終

    (2)
    \[x^2+y^2\leq 5 \Longrightarrow2 x+y\geq k\]であるような\(k\)を調べる.\(2x+y\)の値域を\(\mathcal{R}\)とおく.
    \begin{align*}
    &2x+y \in \mathcal{R}\\
    \Longleftrightarrow~&\exists x,y[2x+y=m \land x^2+y^2\leq 5]\\
    \Longleftrightarrow~&\exists x[x^2+(m-2x)^2\leq 5]\\
    \Longleftrightarrow~&\exists x[5x^2-4mx+m^2-5\leq 0]\\
    \Longleftrightarrow~&4m^2-5(m^2-5)\geq 0\\
    \Longleftrightarrow~&m^2-25\leq 0\\
    \Longleftrightarrow~&-5 \leq m \leq 5
    \end{align*}

    したがって\(k\leq -5\)であれば,\[x^2+y^2\leq 5 \Longrightarrow2 x+y\geq k\]が言える.

    解答終

    というか,解答で(\(P=\{(x,y)|p(x,y)\},Q=\{(x,y)|q(x,y)\}\)として)\[(p(x,y)\Rightarrow q(x,y))\Longleftrightarrow P\subset Q\]だから\(P \subset Q\)を言えばよい,と言っているけど,しかしそもそも\(P \subset Q\)の定義は
    \begin{align*}
    &P \subset Q\\
    \overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow}&~((x,y)\in P \Rightarrow (x,y)\in Q)\\
    \Longleftrightarrow&~(p(x,y)\Rightarrow q(x,y))
    \end{align*}
    であったから,本来の意味で(定義に従って)この\(P \subset Q\)を示そうとすると循環論法になると思う。それを「図示」でかわすってことかな?でも数学において「図示」を証明の根拠にしていいのだろうか…?解答のこの辺のさじ加減正直よくわからない。

    勉強の姿勢(★P273)

    \((4.6)\)を満足する\(S\)の点列\((x_n)\)は一般に一意的にはきまらないが,\((x_n)\)をどのようにとっても,\((4.7)\)の\(\tilde{x}^{\ast}\)は一意的にきまる.そのことも,\(((S^{\ast},d^{\ast}),\varphi)\)および\(((\tilde{S^{\ast}},\tilde{d^{\ast}}),\tilde{\varphi})\)に関する\(\mathrm{(ii)}\)から直ちに示される.

     

    \begin{align*}
    \mathrm{(ii)}\quad &\forall x,y\in S[d(x,y)=d^{\ast}(\varphi(x),\varphi(y))=\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(y),\tilde{\varphi}(y))]\\
    (4.6)\quad &x^{\ast}=\lim_{n\to \infty}\varphi(x_n)\\
    (4.7)\quad &\tilde{x}^{\ast}=\lim_{n\to \infty}\tilde{\varphi}(x_n)
    \end{align*}

    証明

    \(x^{\ast}\)を\(S^{\ast}\)の任意の点とすれば\[x^{\ast}=\lim_{n \to \infty}\varphi(x_n)\]となる\(S\)の点列\((x_n)\)が存在し,\(\tilde{S^{\ast}}\)において\[\tilde{x}^{\ast}=\lim_{n \to \infty}\tilde{\varphi}(x_n)\]が存在する:\[\forall\epsilon>0\exists n_0\in \mathbb{N}\left[n>n_0 \Rightarrow \tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}^{\ast}(x_n),\tilde{x}^{\ast})<\frac{\epsilon}{3}\right]\](証明済みとする)ここで,\[x^{\ast}=\lim_{n \to \infty}\varphi(x_n)=\lim_{n \to \infty}\varphi(x^{\prime}_n)\]となる\(S\)の点列\((x^{\prime}_n)\)が存在すると仮定する: \begin{align*} &\forall\epsilon>0\exists n_1\in \mathbb{N}\left[n>n_1 \Rightarrow d^{\ast}(\varphi(x_n),x^{\ast})<\frac{\epsilon}{3}\right]\\ &\forall\epsilon>0\exists n_2\in \mathbb{N}\left[n>n_2 \Rightarrow d^{\ast}(\varphi(x^{\prime}_n),x^{\ast})<\frac{\epsilon}{3}\right] \end{align*} このとき,示すべきことは\[\tilde{x}^{\ast}=\lim_{n \to \infty}\tilde{\varphi}(x^{\prime}_n)\]すなわち\[\forall\epsilon>0\exists n^{\prime}_0\in \mathbb{N}\left[n>n^{\prime}_0 \Rightarrow \tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x^{\prime}_n),\tilde{x}^{\ast})<\epsilon\right]\]である.この示すべき\(n^{\prime}_0\)は\[n^{\prime}_0=\max\{n_0,n_1,n_2\}\]である.実際,\(\mathrm{(ii)}\)により \begin{align*} &d(x^{\prime}_n,x_n)=d^{\ast}(\varphi(x^{\prime}_n),\varphi(x_n))\\ &d(x^{\prime}_n,x_n)=\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x^{\prime}_n),\tilde{\varphi}(x_n)) \end{align*}に注意すれば,\(n>n^{\prime}_0\)のとき,
    \begin{align*}
    \tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x^{\prime}_n),\tilde{x}^{\ast})\leq&\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x^{\prime}_n),\tilde{\varphi}(x_n))+\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x_n),\tilde{x}^{\ast})\\
    =&d^{\ast}(\varphi(x^{\prime}_n),\varphi(x_n))+\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x_n),\tilde{x}^{\ast})\\
    \leq&d^{\ast}(\varphi(x^{\prime}_n),x^{\ast})+d^{\ast}(x^{\ast},\varphi(x_n))+\tilde{d}^{\ast}(\tilde{\varphi}(x_n),\tilde{x}^{\ast})\\
    <&\frac{\epsilon}{3}+\frac{\epsilon}{3}+\frac{\epsilon}{3}\\
    =&\epsilon
    \end{align*}

    証明終

    数学の成績を上げるために「初見の問題を次々と浴びるように演習すればいい」と考えている人は少なくなくありません。1回見ただけあるいは解いただけで内容を理解しかつ覚えられる頭脳の持ち主ならば確かにそれが最善の勉強法だと思います。が,高くないレベルでもがいている時点で少なくともそのタイプには当てはまらない。いわゆる普通の生徒がそのような勉強をしても,勉強した気になるだけで右の耳から左の耳,知識が頭に残らず何の意味もない。「考える力がつくから」と思うかもしれませんがそれも実質的には意味がない。その「考える力」なるものも知識を土台にして成り立つものだからです。そして試験というのはこの意味で「頭の中の知識を吐き出す場」であって,当然ながらないものは出せず,点数にすら結びつかない。

    だから,数学の勉強をする際はこれと決めた本で,しかも新しい問題ではなく同じ問題を出来るようになるまで繰り返し,まず必要な知識(何を知っていれば/どう考えれば解けたのか,間違えたのであればその原因は何だったのか,等々)を頭に定着させることが最初の一歩だと僕は考えています(もちろん,必然性を伴って!)。その地道な作業の過程で長い時間がかかるものの確実に点数は上がっていく。

    そしてこの解き直しという周回作業には強力な副産物がある。いやむしろ「数学」の学習という意味ではこっちが主産物かも知れない。

    それは「分からなかったところが分かるようになる」「自分の過去の理解や解釈の誤りに気付く」「新たな疑問(=新たな視点)が得られる」ということ…総じて,「理解が深まる」ことだ。

    卑近な例だけど上での証明もそう。僕は粘りに粘ってもどうしても理解できないところは泣く泣く理解を保留し,付箋を貼っておいて未来の自分に希望を託している。その付箋の箇所のひとつを,最近,改めて考えたら上のように片付いた。これは自分の成長の証でとても嬉しいことだし,なにより自信がつく。少なくとも数学はこのような姿勢で学ぶことが重要と思う。

    数学で点数がとれないと悩んでいる人は,頭の中に知識を入れなければ何も始まらないという現実にまず向き合おう。そのために,あれこれと問題を食い散らかさず,できなかった問題を出来るようになるまで繰り返し解こう。分からない問題があってももいい。いずれわかる。そうして本が手垢でボロボロになるまで読み込もう。

    学校であれ予備校であれ塾であれ,なんとなく授業をうけてなんとなく解いていても残念ながら成績が上がることはない。

    覚悟を決めよう。

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