絵をかけばほんと「明らか」なんだけど…念のため…(鬱)
証明
\(f(A)\subset f(A^c)^c\)であること:
\(a^{\prime} \in f(A)=\{y|\exists x \in A[f(x)=y]\}\)とすれば,\(f(x)=a^{\prime}\)となる\(x \in A\)が存在する.これを\(x_1\)とおく.ここで,\(a^{\prime} \in f(A^c)=\{y|\exists x \in A^c[f(x)=y]\}\)と仮定すれば,\(f(x)=a^{\prime}\)となる\(x \in A^c\)が存在することになる.これを\(x_2\)とおく.すると\(f(x_1) =a^{\prime},f(x_2)=a^{\prime}\)より\(f(x_1)=f(x_2)\).今,\(f\)は(全)単射であるから,\(x_1=x_2\)となるが,しかしこれは\(x_1 \in A, x_2 \in A^c\)であることに矛盾する.したがって\(a^{\prime} \in f(A^c)^c\).よって\(f(A)\subset f(A^c)^c\).
\(f(A^c)^c \subset f(A)\)であること:
\(a^{\prime} \in f(A^c)^c(=S^{\prime}-f(A^c))\)とする.このとき\(a^{\prime} \notin f(A)\)と仮定すると,\(a^{\prime} \notin f(A^c),a^{\prime} \notin f(A)\).ここで\(S = A \cup A^c\)であるから,\(f(S) = f(A \cup A^c) = f(A) \cup f(A^c)\)(∵P45(5.3)).また,\(f\)は全(単)射であるから\(f(S) = S^{\prime}\).よって\(S^{\prime} = f(A) \cup f(A^c)\).\(a^{\prime} \notin f(A^c),a^{\prime} \notin f(A)\)より\(a^{\prime} \notin S^{\prime}\)となるがこれは矛盾である.したがって\(a^{\prime} \in f(A)\).よって\(f(A^c)^c \subset f(A)\).
証明終
そういえば以前「数学は『イメージ』で理解しろ(させろ)」と主張に出会ったことがある。だけど,それって言い換えれば「イメージできない数学は理解できない(理解する術がない)」ということにならないだろうか?直観のきく世界から出ないのであればそれでもいいのかも知れないけど。そもそも,「絵」や「たとえ話」で理解したものは理解したと言えるのだろうか?