必要条件を追う

\(a_0,a_1,a_2\)を有理数とし,\(f(x)=a_0+a_1x+\frac{a_2}{2}x(x-1)\)とする.\(1\)つの整数\(n\)に対して,\(f(n),f(n+1),f(n+2)\)が整数ならば,\(a_0,a_1,a_2\)は整数であることを示せ.

(中央大)

示すべきは必要条件であること,つまり十分性(逆が言えるか?)を考える必要がないことに注意します。これは細かいことを考えず手元にある道具(仮定)を好き勝手にいじり倒して結論が言えればその時点で証明終わりということなので気楽です:\[f(n),f(n+1),f(n+2)\in\mathbb{Z}\overset{\text{ひつよう!}}{\Longrightarrow} a_0,a_1,a_2 \in\mathbb{Z}\]
とりあえず,\(f(n)\)と\(f(n+1)\)の\(n\)と\(n+1\)は連番なので,差をとってみたらどうか?と思いつきます。(邪魔者がもろもろ消えそうだから)\begin{align*}
&~f(n+1)-f(n)\in \mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~\left(a_0+a_1(n+1)+\frac{a_2}{2}(n+1)n\right)\\
&~-\left(a_0+a_1n+\frac{a_2}{2}n(n-1)\right)\in \mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~a_1+a_2n \in \mathbb{Z}\tag{1}
\end{align*}なんかうまくいきそうなので,\(f(n+2)-f(n+1)\)も同様に計算すると,\[f(n+2)-f(n+1)\in \mathbb{Z}\Longleftrightarrow a_1+a_2n+a_2 \in \mathbb{Z}\tag{2}\]が得られます。\((1)\)と\((2)\)において\(a_1+a_2n\)が共通していることに着目して\(a_2\)が整数であることがわかり,またこれと\((1)\)により芋づるで\(a_1\)が整数であることが言えます。残りは\(a_0\)ですが,これは\(f(n)=a_0+a_1+\frac{a_2}{2}n(n-1)\in\mathbb{Z}\)であること,すでに示したように\(a_1,a_2\in \mathbb{Z}\)であること,そして\(n(n-1)\)は連続数だから偶数したがって\(\frac{a_2}{2}n(n-1)\in\mathbb{Z}\)であることからいうことができます。(証明終)

とりあえず必要性を追うという方針で証明してみましたが,こうしてみると次のように同値変形できることに気づきます:

証明

\begin{align*}
&~f(n),f(n+1),f(n+2)\in \mathbb{Z}\\
\overset{(\ast)}{\Longleftrightarrow}&~f(n+1)-f(n)\in\mathbb{Z} ,f(n+2)-f(n+1)\in\mathbb{Z},f(n)\in\mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~a_1+a_2n \in \mathbb{Z},a_1+a_2n+a_2\in\mathbb{Z},a_0+a_1+\frac{a_2}{2}n(n-1)\in\mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~a_1+a_2n \in \mathbb{Z},a_2\in\mathbb{Z},a_0+a_1+\frac{a_2}{2}n(n-1)\in\mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~a_1\in \mathbb{Z},a_2\in\mathbb{Z},a_0+a_1+\frac{a_2}{2}n(n-1)\in\mathbb{Z}\\
\Longleftrightarrow&~a_1\in \mathbb{Z},a_2\in\mathbb{Z},a_0\in\mathbb{Z}
\end{align*}
証明終

\((\ast)\)において,\begin{align*}
&~f(n),f(n+1),f(n+2)\in \mathbb{Z}\\
\Longrightarrow&~f(n+1)-f(n)\in\mathbb{Z} ,f(n+2)-f(n+1)\in\mathbb{Z}
\end{align*}ですが,\(f(n)\in\mathbb{Z}\)を加えることで\(\Leftarrow\)も言え,上のように同値になるというカンジです。

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