\(\tan1^{\circ}\)は有理数か。(京都大)
解答
\(\tan1^{\circ}\)が有理数であると仮定する。\[\tan(1^{\circ}+k^{\circ})=\frac{\tan 1^{\circ}+\tan k^{\circ}}{1-\tan 1^{\circ}\tan k^{\circ}}\]であるから,仮定により
\[\tan k^{\circ}\text{が有理数} \Longrightarrow \tan(1^{\circ}+k^{\circ})\text{が有理数}\]ゆえに帰納的に\(\tan 30^{\circ}\left(=\frac{1}{\sqrt{3}}\right)\)は有理数となり,矛盾。したがって\(\tan1^{\circ}\)は無理数である。
解答終
共通テストの対話型形式問題,俗にいう太郎花子問題に思う。読ませながら発見的に解かせようという意図は理解できるけど,太郎と花子解法に追従するしかない自由度の低さ,問題文の冗長さ,見た目の汚さ。数学の魅力の大部分を捨て去ってる気もする。それに比べ上の京都大の問題。たった1行で記述され,無駄がなくかっこいい。そして「あとは各自自由に考えてね☆」とぶん投げられる自由度の高さ。そこにどんな密度が潜んでいるのだろうと興味を掻き立てられる。でも実際蓋を開けてみるとあまり難しくない。個人的にはこういう方が断然好き。