★解析学演習(デデキントの公理\(\Leftarrow\)上に(下に)有界なら上界(下界)の最小数(最大数)が存在)

集合が上に有界であることから,デデキントの公理を導け.

\((A,~B)\)という切断を考える.仮定より\(A\)は上に有界だから上限\(\sup A=\alpha\)が存在する.この\(\alpha\)が,\(A,~B\)のどちらに属するかを場合分けして考える.

\((\mathrm{I})~\)\(\alpha \in A\)のとき.\(\alpha = \max{A}\)である.

\((\mathrm{I\hspace{-.1em}I})~\)\(\alpha \in B\)のとき.
まず,\(\alpha\)は\(A\)の上限であるから\[\forall \alpha’ <\alpha \exists x \in A \big[\alpha’ < x\big]\]が成り立つ.この任意の\(\alpha'(<\alpha)\)に応じて定まる\(x(\in A)\)を\(x_{\alpha’}\)とおくことにする.すると\(\alpha\)より小さい任意の\(\alpha’\)に対して\[\alpha’ < x_{\alpha’}\in A\]と書けることになる.ここで,切断の意味(\(A\)の元はすべて\(B\)のどの元よりも小さい)を考えると,\(x_{\alpha’}\in A\)は\(B\)のどの元よりも小さい.そんな\(x_{\alpha’}\)よりも小さい\(\alpha’\)も当然\(B\)のどの元よりも小さい.つまり\(\alpha’ \in A\)すなわち\(\alpha’ \notin B\)となる.\(\alpha’\)は\(\alpha\)より小さい任意の数であったことを思い出すと結局\[\forall \alpha’ < \alpha \big[\alpha’ \notin B\big]\]と書ける.これと最初の場合分け:\(\alpha \in B\)を合わせて考える.\(\alpha\)より小さい数,\(\alpha\),\(\alpha\)より大きい数,このうち「\(\alpha\)より小さい数」が\(B\)に属さず,\(\alpha\)が\(B\)に属しているから,\(\alpha\)が\(B\)の最小数となる.この二つの場合分けにより,切断\(A,~B\)において,「\(A\)に最大数がある」か「\(B\)に最小数がある」かのどちらかが起こることがわかる(デデキントの切断).

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